はてなインターネット文学賞「わたしとインターネット」
はてなインターネット文学賞「わたしとインターネット」
当時大好きだった人が東京から京都に引っ越すことになった。
引っ越す理由の一端はうちにもあり、今思うと本当に申し訳ない気持ちだ。
タイムマシンがあって当時に戻れたら自分を殺しちゃうだろう。
その人と連絡を取る手段がインターネットのメールだった。
草の根BBSのメッセージではなくて、インターネットのメール。
だから、Windows95 が動く IBM の Aptiva を買った。
Aptivaは当時SMAPの香取慎吾くんがCMをやっていた。
雑誌の付録の CDROM で、interq つかってインターネットに接続した。
メールアドレスのアカウント名とパスワードは同じ文字列を使った。忘れなくていいと思った。
バカだった。アホだった。
バカでアホなので、更なる(自分の)不義理でその人との縁は切れてしまうのだけど、それでもパソコンとインターネットは残った。
なんやかやで、就職して、退職して、アルバイトして、就職して、プロバイダのサポート窓口についた。
大手プロバイダってことで、接続からホームページ作成からブログのサポートまで色々やった。
それから異動でネットワーク機器のサポート(中身は Linux )して、社内ネットワークのサポートして、転職してちょっとだけプログラムを書き、今は経理をメインでお仕事してる。
あれからずっと、今の経理の仕事さえも、インターネットなくしてはあり得ない世界になった。
いろんな出会いと別れも、出会いと別れの間の接触も、インターネット経由での方が多くなったかもしれない。
インターネットが自分から剥がれる時が来るのだろうか?
攻殻機動隊のように、死の直前、死のその時、死を超えて、自分をアップロードする時がくるんだろうか。
インターネットから自由でありたいな、と思いつつ、今日もインターネットにつながっている。